第1回立川名画座通り映画祭

9月23日の名画座の復活を謳った立川名画座通り映画祭は晴天にも恵まれ、大勢の人(200人超)に来て頂き大盛況のうちに幕を下ろしました。
新聞各紙にもとりあげられた注目の名画座のモニュメントは、前日の朝から柴崎中央公園に実行委員と業者さん総出で設置し、小さいながらもかつての名画座を思い出させてくれました。
さらに、その全面を飾る看板には、映画ローマの休日のオードリーヘップバーンの看板がファンの心を揺さぶります。
当日は名画座の復活を見に来た方々が、モニュメントの前で記念撮影をする姿が多数見られました。

上映作品は1945年の名画座オープンの時に上映されたりんごの歌で有名な『そよかぜ』と、立川高校の講堂とされる舞台が作品の中に出て来る吉永小百合の『美しい暦』。また、アマチュア作品の自主制作映画が5本上映されました。
自主制作映画では諏訪通り商店街のイベント、フラフェスタを題材にした作品と、商店街の各所が舞台となっている作品が上映され、映画の中に知ってる顔や光景が出てくると歓声が上がっていました。

上映会場の公会堂は50人ほどで満員となる小さなものでしたので、入場できなかった方が続出して大変ご迷惑をお掛け致しました。
来年はもっと大きな会場で!との声もありますので、会場につきましては検討していきたいと思います。何はともあれ、映画祭をすることが目的の第一だった割にはまずまずの成功だと言えるのではないでしょうか。
これも名画座を心から愛する方々の支えと、諏訪通り商店街の皆様のサポート、ボランティアスタッフの方々のお手伝いがあってのことと思います。
実行委員を代表してお礼申し上げます。

プログラム

2015年9月23日

11:00
オープニング
11:10
自主制作映画上映
12:30
名画上映『そよかぜ』
13:45
自主制作映画再上映(制作者のトークセッション有り)
15:30
名画上映『美しい暦』吉永小百合主演
17:00
表彰式

自主制作映画

フラフェスタ 8月22・23日の諏訪祭りと同時期に行われたフラフェスタを追ったドキュメント作品です。
この作品は諏訪通り商店街に映画制作勉強会というものが立ち上がり、まったくの素人がわずか3回の勉強会の後に制作したものです。
メガネ この作品も映画制作勉強会のワークショップとして制作したものです。
このメガネを掛けて、鳥や動物、昆虫を見ると、その生き物の目線で見えるという不思議メガネ。
それではこれで人間を見るとどうなるか?
諏訪通り商店街がメイン舞台となって展開され、ご存知の顔が沢山でてきます。
どこかで不思議ストーリー2 この作品は諏訪通り通り商店街の居酒屋はるき堂の作った作品です
帰省 2年ぶりの帰省となる大学生京子。彼女がしばらく帰っていなかったのには理由があった。
帰路 プログラマーとして働く安田広太は、仕事で取り返しのつかない失敗をしてしまい、責任を取るために自殺をしようとしていた。そんな時、行方不明になっていた高校時代の野球部の友達、坂口が数年ぶりに現れた。

名画上映

『そよかぜ』

挿入歌の「リンゴの唄」で有名な映画。
この映画は公開が戦後すぐの1945年10月10日で、立川名画座ができた年の最初に公開された作品でもあるそうです。
主人公の並木路子扮する劇場の照明係少女みちが、上原謙や佐野周二扮する楽団員たちに励まされ、やがて歌手としてデビューするという、「スター誕生」の物語です。
戦時中、連日の空襲で意気阻喪している日本人に、せめて映画を観ている間ぐらいは連夜の恐怖を忘れさせるような明るい映画をということで作られた。
また、監督の佐々木が早撮りで有名なこともあって、映画の撮影に主題歌が間に合わなかった。そのため、並木はリンゴ畑で歌うシーンの撮影時は「丘を越えて」を歌い、アフレコ時に「リンゴの唄」を吹き込んだ。

『美しい暦』吉永小百合主演

浜田光男との共演青春映画。立川高校の講堂が使われているとの説も!

受賞作品

グランプリ受賞作品

『岐路』
監督:上田謙太郎 主演・プロデュース:大石結介

準グランプリ受賞作品

『どこかで不思議ストーリー2』
制作:ハルキ堂プロダクション

特別審査員方の論評

中島久枝 様(映画監督)

「岐路」の完成度が抜きん出て高かった。

ワークショップの作品も、素人が集まって作ったにしては、上手くまとまっていた。
コメディチックな仕上がりでよかった。
これを期に、今後も興味を持って、また挑戦してもらいたい。

新井千秋 様(テレビ制作プロデューサー)

現状での出品作品はいずれも、プロのものでは無いので、技術の差なんて、ほとんどあってない様なもの。ほんの少しの差ですよね。
私としては高い技術を持つものより、熱い思いをぶつけてくれている作品を今後期待したいです。
創る者も観る者も、名画座がそうであった様に、僕らのすぐそばで、決して高尚になる事無く、娯楽文化を楽しみたいですね。

斉藤久未 様(J:comプロデューサー)

地元メディアなので、地域型の作品が良いように思うけど地域を盛り上げるには、商店街を紹介するような作品がいいと思うが編集がもう少し丁寧にできていればよかったと思う。
映画を観て楽しむならそれ以外の映画が面白いと思った。
審査員として1つ選ぶのに、何を基準にして選んだら良いか迷ってしまった。
こういった取り組みとしては良いと思う。頑張ってください。

倉迫康史 様(たちかわ創造社ディレクター・演出家・大学講師)

映像作りの難しさを感じました。 これからも挑発して行ってほしいです。
ノンフィクションは視点がはっきりしていました。
ドラマは、演技が重要になってくると思いますが、監督が表現したい世界をどう演じるか俳優の演技にかかってくると思います。

赤川政由 様(芸術家・ボンズ工房代表)

地元ステージの映像が楽しいけれど、身内受けだけではなく、広がりがあるといいですね。
そういったことから、今回は学生さんの作品を審査の対象にしました。
この活動が今後も広がって行くといいですね。
とてもいい試みだと思いました。

杉山高史 様(芸術家・アトリエざっく代表・教師)

1回目の映画祭としては成功と言えるのではないだろうか。
学祭のノリかと思ったが、そんな事はなく統一性がありとても楽しめた。 観る度に考えさせられるものもあり、作品として素人っぽさが好感を感じるものもあった。
決して自己満足で終わって欲しくはない。
作品の先には必ず観てくれる人がいる事を忘れないで欲しい。
これからの展望を期待している。

藤井隆 様(まいぷれ代表)

ストーリーの完結性が、足りないような気がした。
編集がもっと丁寧だと良いと思った。
最後まで観ていて尻切れトンボのような感じが何作かあったので少々気になった。
お年寄りから若い人まで幅広い年齢層の方が来ていたので、みんなが楽しめることを考えると、わかり易いストーリーの方が良いのではないかと思う。
でも観ていて飽きることはなかった。
自主制作映画をみんなで作って観るという企画は良いと思う。

みのすけ 様(俳優・声優)

色んな作品が見れて面白かったです。
でも、もう少し笑える作品がほしいかな。

熊谷法明 様(あったかな立川)

私は評論家でもなければ映画通でもない、ただの一般人。審査員という立場に戸惑いながら拝見しておりました。
でも映画が始まると、どこからこんなアイディアが?どうやったらこんなストーリーを思いつくの?など、どの作品も作り手の想いがとても詰まっている映画ばかりでした。
何かを作るという苦しさ、続けるという難しさはあると思います。その反面、きっと楽しさも味わったはずです。
これからもぜひ作り続けて下さい!
一番感じたのは、イベント運営の方、映画を作った方、そして映画を観た方の全てが“映画好き”なんだと思いました(笑)
また来年を楽しみにしております。
ありがとうございました。

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